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VOL.195『夏の日差しから肌を守る』 [体]

◆体の中から保湿するアミノ酸
 夏になり、女性にはお肌の大敵となる太陽の光(紫外線)が一段と強くなってきました。最近は皮膚の手入れによって潤いを補うのではなく、細胞の中で自ら水分を作り出すという新しいスキンケアの試みがあります。これはALA(5−アミノレブリン酸)と呼ばれるアミノ酸の一種で、細胞内のエネルギー産生を促進し、全身の皮膚の健康に寄与するといいます。
 ALAを配合した化粧品で効果を試験したところ、10日間で肌の角質層の水分量が平均1.8倍、弾力性が3倍に上昇したといいます。数日間で肌のハリが感じられ、シワや肌のキメなども改善されるそうです。目元など皮膚が薄く、乾燥しやすい部分ほどその違いが顕著だったとのことです。
 ALAは全身の組織に存在するアミノ酸で、鉄分と結合し、ヘムと呼ばれる物質となり、細胞内のミトコンドリアでエネルギーに変換され、ともに代謝水を放出するといいます。ALAと鉄分は分子量が小さいため肌に浸透しますが、美容成分の代表であるコラーゲンやヒアルロン酸などはタンパク質で分子量が大きいため、角質層を通して表皮の最下層部に存在する基底膜、さらに深い真皮までには届きません。ALAの体内での保有量は10代後半でピークとなり、その後減少していくといいます。

◆化粧品は角質層まで
 皮膚の表面は弱酸性で守られていて、外部からの異物が入り込むことを防ぐバリア機能を持っています。一般の化粧品が皮膚から浸透するのは表皮の一部の角質層までです。角質層にある水分と油分が混ざった成分を細胞間脂質と呼びます。その中心となる成分がセラミドです。角質層は体内の水分の蒸発を防ぐ役割を担っていて、体外からの化学物質の刺激や異物の侵入を防ぐ働きがあります。化粧品に含まれる保水液(水分や電解質など分子の小さいもの)などは角質層の隙間を浸透していきますが、その内側、深部の表皮まで到達することはありません。化粧品の作用が及ぶ範囲は薬事法で角質層までと決まっており、浸透は角質層に限られています。また、タンパク質成分を含んでいる化粧品は分子量が大きいので角質層まで浸透することはできません。
 アミノ酸が2個以上結合しているものをタンパク質といいます。例えばヒアルロン酸はタンパク質なので角質層まで浸透することはできませんが、水分を取り込む能力が高いので保湿効果はあります。化粧品を落としてくれる洗顔料やクレンジング剤には界面活性剤が含まれており、肌の油分や水分を溶かして同時に落としてしまいます。界面活性剤は油分であるセラミドも剥がしてしまうので、肌の乾燥が進みます。保湿剤にも界面活性剤を含むものがあり、肌の保水力は低下します。

◆直射日光を避けて肌を健康に
 薬用化粧品というのは医薬部外品のことで、こちらは薬事法で認定されていますが、ある程度の副作用も許されています。化粧品は薬事法によって医薬品のような効果を宣伝することができません。また医薬品のような効果や効能は期待できませんが、その分副作用もありません。副作用が認められる化粧品は薬事法違反となります。
 スキンケア化粧品で日焼け止め化粧品には紫外線をカットして肌の白さを保つという機能と、保湿化粧品で肌の湿度を保つ働きがあります。これらはどちらも自身の本来の状態を保ち、皮膚の細胞の健康を保つための化粧品と言えます。とはいえ、夏の日差しが強い時にはなるべく直射日光を浴びないに越したことはないようです。

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VOL.187『ロコモ時代の分岐鎖アミノ酸の働き』 [体]

◆タンパク質の働き
 高齢化が進む今日、筋肉の減少によるロコモティブシンドロームによって、骨が脆くなり骨折するという老化現象が問題になっています。その筋肉を作る栄養素がタンパク質です。
 DNA(デオキシリボ核酸)は遺伝子の本体であり、そこにはタンパク質を作るための設計図が書き込まれています。タンパク質は3〜4万個程度のアミノ酸からなり、20種類ほどのアミノ酸が鎖のように連結した構造になっています。タンパク質の働きの主要なものに酵素があり、体内の基礎代謝の反応を進めます。酵素は生命の維持を基本とし、食物の消化・エネルギーの供給・情報の伝達などの働きがあります。

◆分岐鎖アミノ酸とは
 人間のカラダの20%はタンパク質でできています。カラダを構成する筋肉・皮膚・毛髪・爪・骨・内臓・血管、さらに血液や酵素、ホルモンなどもタンパク質からできているのです。また、免疫と呼ばれる防御機構にもタンパク質が関与しています。外界から病原体が侵入した際、例えば、ウイルスの場合、ウイルスが持つタンパク質(抗原)に対して特異的に結合する抗体(免疫グロブリン)ができます。これもタンパク質です。
 タンパク質は20種類のアミノ酸が数百から数万個連結してできており、命の素とも呼ばれます。アミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分けられ、体内で作ることのできない必須アミノ酸は9種類で、そのうちの分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれるバリン・ロイシン・イソロイシンは生命維持に最も重要で、スポーツには欠かせない栄養素です。
 この必須アミノ酸は食事やサプリメントから摂取することが必要であり、特にスポーツに取り組む人には欠かせない常識となっています。近年、栄養化学の分野では筋肉増強や体力増進には体内で筋肉を作る材料となるBCAAが注目されています。
 筋肉は一時的に激しい運動などで破壊されると、筋繊維の修復・回復回路にアミノ酸、特にBCAAが使われます。筋肉回復のピークは運動後30分〜2時間まででその際にBCAAが吸収され使われます。アミノ酸が吸収されるまでにかかる時間を考慮すると、なるべく早い時間の摂取が有効です。同時にアミノ酸は体内で必要に応じて糖を作る役割があり、その糖が脳の働きを活性化し、維持します。運動を持続できれば筋力がアップし、その結果、基礎代謝が上がるのでダイエット(肥満防止)にも効果的です。加えて、筋肉の疲労軽減や
回復にも役立ちます。

◆さまざまな可能性
 運動時以外にも、常時BCAAを摂取しておくことで、筋肉や体内に十分量のアミノ酸をプールすることができ、分解を抑制できます。BCAAを持続的に摂取すると体内でのタンパク質合成が促進します。これは運動後の筋肉痛を軽減するばかりでなく、睡眠中のこむら返り(足がつる)にも有効です。
 運動量と筋肉痛との関係とBCAA投与の有効性の研究では、運動習慣のない人に運動15分前にBCAAを摂取させ、20回のスクワットを7セット繰り返してもらって翌日以降の筋肉痛を調べた結果、筋肉痛が軽減する結果が出ました。BCAAは運動前に摂取することで筋肉の回復を助け、疲労回復を早めることが分かりました。
 アミノ酸はカラダを作る材料であり、病気を回復させる栄養素です。アミノ酸は免疫力の向上、集中力の向上、消化器系の機能向上、美肌効果、睡眠・アルコール代謝の向上を助けます。夏バテ防止や健康増進、老化防止にも効果があるといいます。最近の研究によってBCAAの作用が種々に渡って明らかにされており、今後の研究に期待が持たれます。

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VOL.185『ケトジェニック体質で肥満予防』 [体]

◆飢餓から肥満へ
 人類の歴史は、ほとんどが飢餓との闘いの日々でした。それゆえ、子孫を残し繁栄するために食物を豊富に摂取し、肉体的に豊満な女性、美と愛の女神ヴィーナスが人々の理想の女性像だったのです。
 今日、日本では唐揚げや焼き鳥・焼肉・ラーメン・乳製品・ケーキ・アイスクリームなどの高脂肪・高糖質の食品が食卓にのぼり、間食や夜食ではファーストフードやスナック菓子、アルコール飲料を毎日のように摂っています。しかも、早食いでほとんど運動をしない生活を続けていれば、肥満体質を受け継いでいなくても高い確率で肥満になります。特に日本人は、欧米人より飢餓の時代が長かったため30%の人が肥満遺伝子を持っていて太りやすいのだそうです。

◆ケトン体が脂肪をエネルギーに
 2008年、厚生労働省はBMI(体格指数)で25以上を肥満とし、日本人の28.6%が太っていると診断しました。しかし、WHO(世界保健機関)の基準はBMIが30以上を肥満としており、世界基準での肥満は3.4%とむしろ痩せているといえます。ところが日本人は糖尿病になりやすいのです。つまり、日本人は欧米人に比べて肥満を原因とする生活習慣病になりやすいため、このような基準となったのです。
 日本人の血液中に存在するブドウ糖(血糖)のほとんどが米・パン・うどん・そばなどの炭水化物からできています。食物は消化吸収され血糖となって細胞に運ばれ、細胞内のミトコンドリアでエネルギー源として産生されて脳や筋肉そして各臓器に供給されます。余った血糖のブドウ糖は、肝臓や筋肉内にグリコーゲンとして貯蔵され、いざという時に分解されてエネルギーとして供給されます。この仕組みを解糖系エネルギー回路といいます。
 食事で摂取したブドウ糖のエネルギーは3〜4時間で消費されます。肝臓に蓄えられたグリコーゲンも12〜13時間で消費されます。すると肝臓では筋肉内のアミノ酸(タンパク質)や中性脂肪を分解してブドウ糖を合成します。これがエネルギー回路の糖新生で、極端な絶食時に限り生命維持のために使用されます。そのような状況になる前に動き出す糖新生があり、これが中性脂肪から分解された遊離脂肪酸で、血液中から肝臓に運ばれケトン体と呼ばれる物質に合成され、エネルギー源として体内に供給されます。これが『ケトン体回路』と呼ばれるエネルギー生産回路であり、ヒトは飢餓時代にこのケトン体回路で生命を維持しました。

◆ケトジェニック体質になろう
 肥満を予防するには糖質を制限することです。糖質を制限すると、ケトン体がブドウ糖の代わりに脂肪を体のエネルギー源に変えてくれるからです。ケトン体が増えれば脂肪が燃焼し、血糖値が下がります。ケトン体研究は近年急速に進み、ケトン体食が肥満はもちろん、糖尿病やメタボの予防、認知機能の維持、老化予防に役立つという論文が増えています。
 ブドウ糖になる糖質を極端に制限すると、中性脂肪が分解されてケトン体が合成され、このケトン体がミトコンドリアで代謝されてエネルギーとして利用されます。脳はエネルギーが5分間遮断されると死に至りますが、ケトン体があればエネルギーにできるのです。ケトン体で脂肪からの脂肪酸を分解すればダイエット効果も現れます。これが糖質制限によるダイエット効果で『ケトジェニック体質』と呼ばれます。
 ケトン体を増やす食品には、肉類・魚介類・海藻類・大豆食品・食物繊維(野菜)がありますが、加えてビタミン類やミネラル成分を十分に補給すればさらに効果が上がります。ケトン体食で肥満や生活習慣病を予防しましょう。

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VOL.183『男性の更年期障害ではありませんか?』 [体]

◆男性にも更年期障害がある
 近年、女性特有の症状と思われていた更年期障害が男性にも発症することが知られてきており、250万人以上に症状が見られるといいます。
 食生活の変化に起因するのか、男性ホルモンの減少による女性化が目立ち、やる気の低下や不眠症、急激な性欲の減退などの症状が現れます。40〜50歳代になると急激に、体を動かすことが億劫になったり、だるいなど、体の不調を感じ始めます。運動する時間が減るため、少しの運動でもすぐに息切れし、関節や筋肉が痛くなり、すぐに汗をかきます。疲れがとれず、筋力が低下するなど中高年特有の症状が現れ、お腹周りの肥満もあるので生活習慣病と思い専門外来を受診すると、血液検査で男性ホルモン(テストステロン)の値が基準値を下回り、加齢による性腺機能低下症候群(LOH)と診断されます。これが男性の更年期障害です。

◆原因と治療法
 男性の更年期障害の原因は主に日常のストレスで、加齢による男性ホルモンの減少によります。男性ホルモンは20歳代をピークに徐々に減少し、60歳を過ぎると20%、80歳以上では50%以上減少します。更年期障害の程度には個人差があり、発症する時期も30歳代後半から80歳以上と幅があります。
 更年期障害の主な症状は不安・イライラ・不眠・筋力低下・体のほてりなどで、放置するとテストステロンが低下するのはもとより、動脈硬化が急速に進行し、脂質代謝の悪化を促進するため内臓脂肪の蓄積増加による肥満や高血圧、2型糖尿病のリスクが高まります。食欲低下や不眠、倦怠感などの症状が出るため、うつ病などの精神疾患と混同されがちです。また、テストステロンの減少は、性欲の減退(ED)や頻尿を引き起こし、自信喪失や自殺にもつながります。性格的に神経質・真面目・几帳面・責任感の強い人は更年期障害を発症しやすいので注意しましょう。
 治療法はテストステロンの注射で、2〜4週間ごとの通院が必要となります。テストステロン注射は保険が適用されますが、自費診療となる場合もあります。治療の継続が困難な場合には保険適用外で男性ホルモン成分を含む塗薬の処方もあります。
 男性の更年期障害を克服するには、運動やスポーツをして体を動かすこと、勝ち負けを競うこと、若い女性と話をするなど性的にも興奮することです。そうすることで脳の視床下部が反応して男性ホルモンが分泌されます。もう若くないからと体を動かさずにいると、男性ホルモンの分泌量が少ないまま固定化されてしまうので、更年期障害はさらに悪化します。逆にスポーツなどで日常的に運動する習慣のある人は、男性ホルモン分泌が高い値を維持できていることが多いようです。特に運動をしなくても毎日の生活の中で5000〜10000歩のウォーキングを心がけるだけでも症状の改善や予防になります。

◆ミネラル成分を摂取しよう
 テストステロンが低下する原因としてミネラル成分である亜鉛やケイ素、マグネシウムの慢性的な不足が考えられます。ミネラル成分の不足は、性欲の衰え・前立腺の肥大・前立腺ガン・精子の減少・生殖能力の低下・勃起不全などの症状を引き起こします。
 男性の更年期障害に限らず、日頃から30分ほどの散歩を習慣にし、食物繊維を多く含むものや発酵食品、ミネラル成分を毎日十分に摂ることは大切です。ミネラル成分は吸収性が悪いので、意識してたくさん摂るように心がけましょう。生活習慣を改善し、更年期障害に負けない体を作りましょう。

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VOL.178『ロコモティブシンドロームとは』 [体]

◆ロコモティブシンドロームとは
 加齢や高齢化に伴い、運動機能の衰えによる障害で筋肉・骨・関節・軟骨などの機能が低下した状態を『ロコモティブシンドローム』(運動器症候群・ロコモ)と呼びます。厚生労働省の報告によれば、自立度が低下し要介護や要支援になる原因は運動器の障害が23%、
4人に1人が健康寿命を短くしていることになります。さらに40歳以上の男女5人に1人がロコモ予備軍となっています。
 ロコモ予防のために、タンパク質やミネラル・ビタミンなどの栄養素を摂取するよう指導が勧められています。タンパク質の摂取量が減ると骨ばかりか筋肉量も減ります。通常、タンパク質は分解と合成を繰り返す新陳代謝で恒常性を維持しています。タンパク質摂取が不足すると分解が優位になり、筋肉量の減少につながります。そこで欠かせないのが適度な運動習慣です。息がきれない程度のジョギングや自宅内でのスクワットなどの軽い筋トレ、20〜30分程度の散歩です。運動不足で筋肉を長時間使用しないと筋肉は萎縮します。また病気で入院が長期になり、ベッドで安静にしていると足腰の筋肉が衰えて歩くのも困難になります。

◆サルコペニア肥満
 運動不足でいると、30代でも筋肉量は年間0.5〜1.0%低下します。筋肉量は60%が下半身に集中しており、足腰の筋肉が衰えると代謝機能が落ち、摂取カロリーが余るので太りやすくなります。これをサルコペニア肥満と呼びます。サルコペニア肥満は40代から発症し、高齢者の30%以上に認められ、糖尿病への発症リスクが3倍に上がります。若い人でも運動する習慣がないと、筋肉量は20代から徐々に減少していきます。筋肉が使われずに摂取カロリーが多いと余ったエネルギーは脂肪細胞に蓄積されます。外見上はさほど太って見えなくても筋肉量が少ないため、筋肉内に脂肪が入り込み筋肉と置き換わります。すると動くのがますます億劫になり、サルコペニア肥満が進行するという悪循環に陥ります。
 体重をコントロールするための食事制限を中心としたダイエットは体脂肪だけでなく、筋肉量も減らしてしまいます。動物性タンパク質に含まれるアミノ酸は筋肉の材料になるのに高齢になると急激に摂取量が低下する傾向があります。運動する前後の30分にタンパク質である分岐鎖アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)を摂取することを習慣にするとサルコペニア肥満の予防効果が高まるとされます。同時にミネラル成分であるカルシウム・マグネシウム・ビタミンDなどを補給することで筋肉増加や骨形成に効果的となります。さらに、太陽光を浴びながら散歩をすれば、運動不足の解消になるだけでなく、ビタミンDが腎臓で活性型ビタミンD3に変換され腸からの吸収性が高まります。

◆運動器を衰えさせない
 日常生活で行えるサルコペニア肥満対策として適度な運動は手軽で効果的です。運動することで必要な足腰の筋肉を取り戻しましょう。ふくらはぎや太ももの筋肉は使わないと急激に衰えます。立ち上がる動作で一番使うのが太ももの筋肉で、バランスを維持するのがふくらはぎの筋肉です。特に、ふくらはぎの筋肉は『第二の心臓』とも言われます。
 サルコペニア肥満はインスリンの働きを鈍らせますので、散歩などで有酸素運動をすることは糖尿病の改善にもつながります。運動することによる刺激がカルシウムやマグネシウムの吸収性を高め、生体内でカルシウムの骨への沈着を促進します。運動器の衰えを抑制するために運動は欠かせません。同時に分岐鎖アミノ酸を多く含むタンパク質を摂取して筋肉量を減少させないように気をつけましょう。

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VOL.174『チアシードとキヌアに注目』 [体]

◆今気になるスーパーフード
 今、美意識の高い女性の間で話題なのが『チアシード』と『キヌア』です。チアシードはゴマのような小さな粒ですが、栄養価に優れ、腹持ちも良いので、これを使ったビスケットが空腹しのぎに良いとダイエット中の女性などに人気です。
 キヌアは見た目がキビやアワに似た雑穀で味にはクセがなく、タンパク質や食物繊維が豊富に含まれています。どちらもダイエットやデトックス効果に優れており、これから食事に取り入れたい素材です。

◆チアシードとは
 チアシードとは、中南米(メキシコ南部)原産のシソ科の植物で水に浸すとカエルの卵のようにゲル状に膨らみます。脳細胞を活性化し、若さを保つというオメガ3脂肪酸・8種類の必須アミノ酸・食物繊維が豊富に含まれています。日本でも人気のスーパーモデルが常食していることから話題になり、メディアやタレントからの発信で一気に知れ渡りました。
 チアシードはスプーン1杯でサンマ1匹分のオメガ3脂肪酸・わかめ100g分の鉄分・アスパラ3本分の亜鉛などを摂取できます。食物繊維が12g中に4.1gで玄米の0.5gや大豆の2.2gと比較しても多く、ごぼうの5.1gに迫る多さです。多くは黒い粒で、白い粒が少量含まれています。黒い粒よりも白い粒の方が栄養価が高いので、白い粒だけに品種改良したものをスーパーチアシードといい、このスーパーチアシードの脂肪酸はオメガ3が66%を占めています。
 若い女性は、睡眠不足・運動不足に加えてダイエットによる栄養バランスの乱れを感じており、ダイエットしながら栄養補給できるチアシードへの注目度が高まっています。最近では都心部のオフィス街にも食料品店が増え、チアシードの売り上げは10倍以上に伸びています。味にクセがなく、ヨーグルトや飲み物など何にでも混ぜられます。またゴマ感覚で、おひたしや味噌汁など手軽に和食にもトッピングできます。ブームはダイエット女性をターゲットとする外食産業にも拡大し、チアシード入りのオムレツが食べられたり、自然食店ではゲル状を生かしたドレッシングなどが新たに販売されています。

◆キヌアとは
 チアシードとともに南米原産の雑穀であるキヌアもダイエットや美容健康に良い食品として人気が高まっています。キヌアはアカゲ科の植物で栄養価が高く、9種類の必須アミノ酸を含んでいます。栄養価はタンパク質が白米の2倍、鉄分は5倍、食物繊維は10倍も含まれています。他にカルシウム・マグネシウム・リン・ナトリウム・カリウムなども多く含んでいます。特に胚芽の部分にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、ピラフやリゾットなど、大麦・玄米・大豆と混ぜても美味しく、野菜スープにもよく合います。
 キヌアは高原地域の痩せた土地でも育つことから日本でも耕作放棄地の解消や地域活性化の目的で多く栽培されるようになっています。化学肥料や農薬を使う必要がなく、病害虫やシカ・イノシシなどの被害に悩まされることもないので安定供給できるというメリットがあります。また、キヌアの粉にはグルテンが含まれていないので、アレルギー疾患にかかりにくいというメリットもあり、大豆を含まない粉としてアレルギーの代替え食材としても期待されています。
 チアシード、キヌアともに現代日本人の肥満解消やダイエット ・カロリー制限によく適しており、栄養価も優れていることから健康維持も期待できる食材と言えるでしょう。

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VOL.173『肥満の解消方法』 [体]

◆肥満は健康に悪い
 肥満はなぜ健康に悪いのでしょうか。基本的に体重が重くなれば身体への物理的な影響があります。肥満では膝関節への負担が大きくなり、膝関節が破壊され疼痛が激しくなります。加えて余分な脂肪が喉の周囲に蓄積し起動が狭くなると、睡眠時無呼吸症候群となって睡眠が妨げられます。さらに、肥満では血圧が上がるので、動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞・脳梗塞になりやすくなります。また、高血圧や糖尿病など代謝異常や循環器障害を伴った内臓脂肪型症候群である生活習慣病(メタボリックシンドローム)となります。

◆肥満と脂肪細胞
 肥満には脂肪細胞が大きく関与します。人類の歴史は常に飢餓との戦いでした。そこで食べられる時にできるだけ食べておき、次に訪れる飢餓に備えてエネルギー源を脂肪細胞に蓄積する仕組みができたのです。その結果、脂肪細胞はその機能に特化した細胞に進化しました。しかし、飽食の時代となった今日、脂肪細胞には大量の中性脂肪からなる脂肪が貯め込まれています。脂肪には1gあたり9kcalのエネルギーが蓄えられています。炭水化物やタンパク質が4kcalであることから、脂肪は少ない重量で多くのエネルギーを得られるように特殊化したことが分かります。
 脂肪細胞は多くの生理活性物質(ホルモン・サイトカイン)を産生する内分泌器官でもあります。肥満の人は、脂肪細胞が分泌するアディポネクチン(善玉サイトカイン)の分泌が減少します。すると、血液が固まりやすくなるので、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞になりやすくなります。健常人では血液中にアディポネクチンが高濃度で存在するので、血管壁に傷があると血管壁に集積して保護し、動脈硬化を抑制します。ところが、肥満ではアディポネクチン濃度が低下します。つまり肥満の脂肪細胞は脂肪を蓄えすぎて、細胞の性質が変化してしまうのです。その結果、肥満では膵臓からのインスリン分泌が低下し、高血糖状態となります。体内では悪玉アディポサイトカインが増え、脂肪肝となります。
 近年、遺伝子の発現パターンが後天的な要因により影響を受けることが分かりました。遺伝子も環境要因によって変化するのです。そこで、実験的に肥満で糖尿病を起こしたオスのラットに正常なメスのラットを交配したところ、生まれたラットは高血糖とインスリン分泌の低下を示しました。つまり、高脂肪食による代謝異常を伴った遺伝子が子孫に伝えられるのです。太った母親からも胎児に肥満遺伝子が伝わることが分かっています。

◆食欲に打ち克つ
 食欲は生命の根源であり、生命中枢とも密接に関係しています。そして食欲は、常に飢えにさらされ続けてきた人類の進化の歴史であるため、抑制することが難しい魔物となってしまっています。さらに、肥満では記憶中枢の遺伝子に組み込まれ記憶され、脳の反応が鈍くなり、食欲が抑えられなくなります。
 肥満を解消するには基本的にたくさんの水を飲むことです。水分を摂ることで胃が伸展し食欲を高めるグレリン分泌が減るので食欲を抑制します。肥満を解消するには良い水を飲みながら規則正しい生活習慣や適度な運動・バランスのとれた制限食を持続することが大切です。しかし、短期間での肥満解消は必ずリバウンドします。急激な体重減少は避け、最低1年以上かけてゆっくりと減量することをお勧めします。食欲の秋、美味しいものがあふれる季節ですが、自身の健康と相談しながら旬の味覚を味わいましょう。

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VOL.162『若返りホルモンを知っていますか?』 [体]

◆ホルモンとは
 現代社会では多くの人が疲れを感じています。そこでスタミナをつけようとホルモン焼きなどを食べたりしますが、ここでいうホルモンは牛や豚の内臓のことです。体内のホルモンはこれとは全く違って、血管を流れる興奮物質で、ヒト毎日イキイキと生き続けるために必須の物質であり元気の素でもあります。約100年前、イギリスの生理学者によって『刺激する』『興奮させる』というギリシャ語から命名されました。

◆ホルモンの種類
 16世紀ヨーロッパには若返りの泉があり、老女たちがその水を浴びた途端に瑞々しく美しい女性に変身するという伝説がありました。また、白髪の老人 ・ドラキュラ伯爵が若い娘の血を吸うことで、髪は黒々となり、精悍な顔つきの若者に変身するというドラキュラ伝説もあります。これらを裏付ける実験として、年老いたマウスと若いマウスの皮膚を切開し、2匹の体を密着させてお互いの血管同士を結びつけ、交通するように血管や皮膚を縫い合わせます。すると、年老いたマウスの心臓や筋肉細胞が再生し、低下した筋力や持続力は若いマウスのように回復し、神経細胞が増加し、認知機能が元に戻りました。つまり、若いマウスには若返らせるホルモン=若返りホルモンが含まれていることが分かったのです。
 ホルモンとは内分泌細胞から分泌されて血液中に運ばれ、他の臓器の細胞に働く物質やサイトカイン、神経伝達物質のことを言い、現在、長生きのホルモン・愛情のホルモン・成功するホルモン・疲れないホルモン・若返りのホルモンなど、100種類以上が発見されています。ホルモンにはアミノ酸で作られているものと、コレステロールからできているものがあります。アミノ酸由来のホルモンは食べても効かないので、注射で直接血管内に注入しなければなりません。コレステロール由来のホルモンはステロイドと呼ばれ、飲み薬や塗り薬として使用されています。アミノ酸由来のホルモンは血中濃度が低く、効果は速いのですが作用は短時間です。ステロイドホルモンは効果が始まるのは遅いのですが、効き目は長時間持続します。

◆発見、常若ホルモン!
  ヒトは肥満になると細胞のガン化が進み、寿命が伸びません。成長ホルモンは睡眠中に分泌され、カラダを低血糖状態にします。つまり、成長ホルモン分泌が減少すると脂肪の燃焼が進まず肥満となるのです。したがって寝る時間が遅く、熟睡時間が短い子供は肥満になります。また、睡眠時間が短いと脳のストレスが増し、ホルモンバランスが乱れ、メラトニン分泌が抑制されるため、生体内時計が狂ってガン化が進みます。肥満になるとレプチンというホルモンが脳に作用し、交感神経を興奮させ、骨を壊す破骨細胞の働きが増すため、骨からカルシウムが溶け出て骨がもろくなります。ですから肥満の人ほどカルシウム摂取が必要となるのです。
 日本には古来から、神道で「常に瑞々しさを尊ぶ」意味の常若(とこわか)という考え方があります。1999年、国立循環器研究センターはこの常若ホルモンとして『グレリン』と『クロトー』を発見しました。クロトーはホルモン受容体の働きをして、若返りに必須のカルシウムと腸に関わるホルモンに関与し、ミトコンドリアの力を強めるグレリンは、空腹時に大量に分泌されることが分かっています。これらの研究はまだ始まったばかりですが、今後の成果が期待されています。若返りの泉の話が夢物語ではなく、現実になる日が来るといいですね。

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VOL.159『大音量で音楽を長時間聴くと…』 [体]

◆WHOが指針を発表
 2015年2月、世界保健機関(WHO)は難聴になる危険性が指摘されたことから『聴力を守るためにスマートフォンなどで音楽を鑑賞する場合は1日1時間以内に控えるべきである』との指針を発表しました。
 難聴は耳の器官や聴覚神経の障害によって起こる病気で、騒がしい場所で話が聞き取りにくかったり、音は聞こえるものの内容が理解しにくいなどの症状が出ます。内耳にある蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる音を感じる細胞が障害を受けて死んでしまうことで起きます。一度死んだ細胞は再生することができず、治療法もありません。いつまでも正常な聴力を維持するには予防するしかありません。

◆難聴は治らない
 WHOが指針を出して警告したのには、スマホの世界的普及やアメリカでの調査による大音量で音楽を聴く若者の難聴が増えているという背景があります。日本でもかつてウォークマン難聴が問題になりましたが、今回のスマホはその再来となっています。WHOは、音楽などを大音量で聴くことが習慣で難聴の恐れがある若者(12〜35歳)は世界中で11億人を超えるとし、聴力は一旦失うと2度と回復しないと厳しく警告しています。
 幼い頃から大きな音に接している人は、加齢とともに難聴となるリスクが高まります。老人性難聴の多くは内耳の蝸牛内の細胞が死滅するだけでなく、耳の器官の障害が複合的に関係しています。外耳から入った音波(音)は鼓膜や中耳の耳小骨を振動させます。その振動が蝸牛の入り口に伝えられ、リンパ液の振動に変わります。蝸牛内を満たすリンパ液の振動が蝸牛神経から大脳側頭葉に伝えられ、音が認知されます。老人性難聴は加齢による聴覚細胞の萎縮や変性、薬物の使用、大音量など音の高低や周波数の変化などが原因で、聴覚細胞が障害されます。日本では65歳以上の25〜40%、75歳以上の40〜60%、85歳以上では80%以上が老人性難聴で、その数は1500万人以上と言われています。
 若い頃から長時間、大音量にさらされていると蝸牛細胞のダメージが蓄積され30〜40歳代の早い時期から老人性難聴を発症することがあります。それを防ぐにはどの程度の音量にすればいいかというと、WHOでは100デシベル(電車が通過するときのガード下くらい)の騒音なら15分以内という基準を設けています。このような騒音の中では相手の話し声は全く聞き取れない状態です。周囲がうるさい電車内でイヤホンを使い音楽を聴くときも、無意識のうちにボリュームが大きくなりやすいので注意しましょう。

◆おかしいなと思ったら
 別の聴覚障害としては耳鳴りがあります。耳鳴りは内耳の細胞が損傷していることを示すサインです。激しい騒音の場所から静かな場所へ移動した時、シーンという耳鳴りがしたら大音量の名残が耳鳴りとなっているのです。また、難聴の意外な原因として、飲酒があります。クラブやライブハウスなどで飲酒しながら長時間にわたって大音量の音楽を聴いたり、その機会が増えると内耳の蝸牛細胞を壊す物質が分泌されることが分かりました。
 今までなんともなかったのに突然、耳が聞こえなくなり、耳鳴りの症状が現れたりするのは、聴覚神経の障害が進行している証拠です。その時は数日以内に専門医師の診断と治療を受けなくてはなりません。情報システムの進歩によって街には騒音が溢れ、静かな時はありません。人々も騒音に慣れてしまっています。ヒトの感覚器官は聴力に限らず、視力 ・嗅覚・味覚など全般が退化しているかもしれませんね。

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VOL.157『スローミイラ化とは?』 [体]

◆若い頃からの習慣が…
 人は社会に出ると多忙な日々を送るようになります。食生活が乱れて疲れが溜まり、体調が悪くなることもありますが、体力のある20代頃ならすぐ回復できます。30代になると仕事や家族に責任が生じて無理をしがちになり、スタミナをつけようと塩分や脂肪分の多いものや、糖質中心の食事を摂る人が増えます。運動量は低下するので消費エネルギーが減少し、基礎代謝が落ちてくるので太りやすくなり、活性酸素の産生に対しても活性酸素分解酵素による消失が減少します。忙しさから手軽に食事を済ませようと食品添加物が多い食事を摂ると、活性酸素の産生がさらに増します。40〜50代では、肥満傾向がさらに進むので老化が加速します。同時に血管の動脈硬化が進み、高血圧や高血糖となって種々の薬を飲むようになったりします。その時に気づいて糖質を制限し、魚介類や食物繊維の豊富な野菜食にしても、それまでの生活習慣が細胞に記憶されており、正常な状態に戻すにはかなりの時間がかかります。若い頃からの生活習慣や食生活の大切さがわかりますね。

◆糖質制限と運動
 食事を摂ると血糖値は上昇し、これがエネルギー源となります。食物中の炭水化物から繊維質を取り除いたものが糖質です。糖質の摂取が多いと血糖値は急激に上昇します。それを下げるのがインスリンです。インスリンには24時間少量を持続して分泌するものと、食後に急激に(3〜30倍)分泌するものがあります。血糖値が1日に何回も急上昇や急降下すると血管壁は損傷し、その修復に血小板が集合するため、血管壁に血栓が溜まりやすくなります。運動量が減ると血液中のブドウ糖と消費されずに残った大量のインスリンが脂肪を合成します。それらは主に内臓脂肪として腹部に蓄積されるのでお腹が出てきます。カラダに溜まる脂肪には皮下脂肪と腸の周囲に溜まる内臓脂肪があり、日本人を含めアジア人は欧米人に比べて内臓脂肪が溜まりやすいようです。
 糖質を制限すると男性の方が女性よりも明確に減量できます。女性は女性ホルモンの影響で皮下脂肪が母体を守るために蓄積されるので減量しにくいのです。かといって無理なダイエットをすると筋肉量の減少を招き後遺症が出る場合があります。糖質制限で体重が減少してから再び太らない体にするには運動が効果的です。この時、タンパク質や脂質を取らずに運動するのは筋肉量の減少を招き、エネルギー源が不足するので体調不良を起こすことがあります。注意しましょう。

◆スローミイラ化
 血液中のブドウ糖量が多いと、体内では糖化やAGEの産生が進みます。AGEとは終末糖化産物のことで、老化の原因物質と考えられています。電子レンジは短時間で高温加熱するので、大量にAGEを発生させます。AGEを多く含む食品や糖質の摂り過ぎが老化を促進する、この現象を『スローミイラ化』と呼びます。
 人は若返ることはできません。しかし、過食を避けて、糖質制限しながら適度なタンパク質を摂る、塩辛い味付けに慣れ親しんだ食生活を薄味にする、味が物足りなかったら酸味を加えたり、香りの強い抗酸化物質(レモン・セロリ・ハーブ・にんにくなど)を加えるなど工夫すれば、老化を遅らせることはできるでしょう。食事制限しながら水をたっぷり飲み、毎日こまめに体を動かしましょう。料理や掃除・洗濯・風呂掃除・部屋の模様替えなど、筋肉を使って筋肉量を増やし、スローミイラ化を防ぎましょう。

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