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VOL.204『毎日飲んでいる水がカラダをつくっている』 [水]

◆水に含まれる成分は重要
 21世紀になり、ヒトの遺伝子の解析が進むと、全ての病気は遺伝子(ゲノム)で発症するジェネティクスによって決まるとされていましたが、今日では生活習慣が要因であるエピジェネティクスによって決まることが解ってきました。また、カラダを構成するのは60兆個の細胞とされてきましたが、近年、この数は訂正されて37〜40兆個となっています。
 細胞は中も外も水で満たされています。カラダを構成している水を維持するために、良い水を飲み続け、良質な成分で細胞を満たすことができれば、病気になりにくくなります。逆に、悪い水が細胞に作用し続ければ遺伝子は傷つき、慢性疾患やガンなどの病気を引き起こす細胞へと変異する確率が上がります。水に含まれる成分は極めて重要だということです。

◆なぜ水にはこだわらないの?
 カラダを維持するためにヒトは毎日2.5ℓの水を飲み、その後に尿や汗として排泄します。また、水は食物とともに口から摂取され、腸で吸収されます。腸は栄養を吸収する器官であり、体内で最大の免疫器官でもあります。カラダを元気にするには腸を元気にすることで、そのための水の条件はカルシウムやマグネシウムをほどよく含むことです。カルシウムには腸の蠕動運動を活発にする働きがあり、マグネシウムは糞便を柔らかくして排便力を高め、便秘を防ぐ働きがあります。汚れた腐敗物質が腸内に長く留まることがなければ、免疫力が高まるので、病気を防ぎ、老化を遅らせことができます。
 一般的に、食事を変えれば健康状態が変わり、健康を維持できることは誰もが知っています。ところが、水を良質なものに変えることを意識している人はそれほど多くありません。
例えば、母親の胎内にいる胎児は90%が水分で、赤ちゃんもカラダの80%は水分です。成人になれば体重の60%が水分であり、高齢になっても50%は水分です。若さを失うとともにカラダから水分が抜けていくので、その分シワが増えます。老化とは、カラダの細胞から水分保持能力が失われていく現象でもあります。いきいきと現役生活を続けている人は水にこだわっています。水の飲み方に意識を向けるかどうかでその後の人生が大きく違ってくるのです。
 水は腸から吸収され、体内に入ると、血液やリンパ液となってカラダをめぐる体循環となります。体循環によって栄養素や酸素が運ばれ、エネルギー代謝で使われた老廃物は体外に排泄されます。また、水は体温を一定に保ち、体内の浸透圧を常に正常範囲内に保つので、カラダの恒常性が維持されます。血圧や血糖値のバランスを常に一定に保つように働き、細胞内液や細胞外液のバランスを一定に保ちます。

◆カルシウム豊富な水を飲みましょう
 つまり、水は体内を循環しながら体内機能に乱れがないように、一瞬も止まることなく働き続けているのです。カラダをつくる水とは、生命を支える水です。そして良い水とは、酸素をたっぷり含み、ミネラル成分がバランス良く含まれている水です。逆に、カラダに良くない水とは、酸素を含まない蒸留水や純水、加熱沸騰させた後に冷ました白湯などです。これらの水は生理活性が失われています。
 カルシウムを豊富に含む水は弱アルカリ性です。昔から世界中で酸素を含む弱アルカリ性の水は奇跡の水と呼ばれていました。この水が、病気を防ぎ、病気を治し、老化を防いで若さを維持する長寿の水として知られています。つまり、奇跡の水とはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分を豊富に含む水であり、日常的に飲むことで健康寿命が維持されるのです。

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VOL.192『水は天然の健康飲料です』 [水]

◆クリプトスポリジウム
 梅雨から夏の時期には、雑菌の繁殖が活発になるため、水道水に含まれる塩素の量が増えます。1996年、埼玉県で水道水中のクリプトスポリジウム(原虫)による集団下痢症が発生しました。クリプトスポリジウムは1976年アメリカで初めて報告されて以来、世界各地で報告があります。水道水に混入する原虫はクリプトスポリジウム以外にもランブル鞭毛虫やサイクロスポーラ原虫などがあり、集団下痢症を発生させています。これらの原虫は塩素に対して強い耐性があるため通常の塩素消毒では駆除できません。

◆トリハロメタン
 また、水道水には発ガン性が疑われるトリハロメタンやトリクロロエチレンなどが含まれているためそれらを規制した水質基準があります。トリハロメタンは体内に入ると中枢神経系や肝臓、腎臓に障害を与え、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などを悪化させます。摂取量が増えれば集中力の低下や疲労感、イライラなど精神的な不調症状が現れます。妊婦では流産の危険性も増します。
 トリハロメタンは塩素と有機物の化学結合で作られます。水道水を沸騰させると塩素との化学結合が進み、トリハロメタンの発生量が増えます。含有量が最大となるのは沸騰直後で通常の2〜3倍となります。トリハロメタンを完全に除去するには15〜30分間沸騰させ続けることが必要です。塩素は体内に入ると活性酸素が発生します。水道水を沸騰させると塩素は蒸発し、殺菌効果がなくなりますが、病原微生物も死滅します。しかし、トリハロメタンは増えてしまします。

◆白湯・純水
 水道水やミネラルウォーターを沸騰させ、さました白湯(さゆ)を飲むという健康法があります。これらの水は健康作用を失います。水には多くの酸素が含まれています。酸素を多く含む水には体内環境を整える作用があります。また、多くのスーパーなどで水道水から不純物を取り除いた純水を無料で提供し、飲用や料理に使うよう奨励しています。これら純水や白湯は、健康上良質な水とは言えません。通常、水には不純物が含まれているので溶解度が高く、人体に取り込まれるとさまざまな酵素やミネラル成分を溶かすので細胞に吸収されやすいのです。白湯や純水による健康法はデトックス効果があると言いますが生水にも老廃物を排出する作用があります。わざわざ沸騰させて水分中の酸素をなくす必要はなく、逆に健康を害するかもしれません。
 健康な人の体液は弱アルカリ性です。ストレスがかかり、疲労してくると体内は酸性の方向に傾きますが、体内環境を素早く戻すのが弱アルカリ性の水です。ミネラル成分を含んだ水は弱アルカリ性で活性酸素を抑制させるとして知られています。酸素を含み、カルシウムをはじめとするミネラル成分を豊富に含む水が良質で健康増進に優れた水と言えるのです。

◆水は元気の素
 日本の水道水は軟水で、カルシウムやマグネシウム量の少ない水です。ヒトのカラダは、幼児で体重の80%、成人で60%、老人でも50%、平均して60〜70%が水分です。体内の水が栄養素や老廃物を運搬し、体温を調節し生命を維持しています。毎朝、起き抜けにコップ1杯の水を飲むと、一時的に副交感神経を興奮させ、胃腸の動きを活発にします。血液やリンパの流れも良くなり、老廃物を排出します。水はまさに天然の健康飲料であり、健康を維持する力を引き出してくれます。つまり、毎日の水は元気の素なのです。酸素を多く含み、カルシウムをはじめとするミネラル豊富な命の水を飲み続けましょう。

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VOL.175『ミネラル豊富な水を飲みましょう』 [水]

◆体内の水の動き
 体内の老廃物を除去するには水が欠かせません。血液中の老廃物は腎臓の糸球体で濾過され、尿中に排泄されます。ヒトは1日に尿から1500ml、皮膚から600ml、呼気から300ml、便から100ml、合計2500mlの水分を失っています。体内のエネルギー代謝で300mlの水分が代謝水として産生されるので、差し引きすると1日に必要な水分量は2200mlとなります。
 このうち1000mlは食物から摂取するので、尿の排泄を促進させるためには最低でも1200mlの水分を摂取する必要があります。むしろ1500〜2000ml以上飲むことが望まれます。摂り入れる水はミネラル成分を豊富に含んでいることが基本となります。

◆早めに、こまめに、少しずつ
 スポードリンクには糖分や人工甘味料などが多く含まれているので、体内環境に良いとは言えず、摂取した量より多くの水を飲まなければなりません。また、コーヒーやお茶は糖質やカロリーはゼロですが、利尿作用のあるカフェインが含まれているので、飲んだ分以上に排尿されてしまい、注意が必要です。また、就寝中は皮膚や呼気から水分を失います。空気が乾燥していれば水分の減り方も多くなります。就寝前と起床後にはコップ2杯分の水分を補う習慣をつけましょう。
 毎日の水分摂取のポイントは、早めに、こまめに、少しずつ水を飲むことです。喉が渇いたと感じた時にはすでに軽度の脱水症状を起こしています。特に高齢者は喉の渇きを感じにくくなるので、喉が渇いていなくても早めに水を飲むようにしましょう。乳幼児など子供の病気のほとんどは水分不足による体内の脱水が関わっています。ヒトのカラダは体液濃度(浸透圧)の急激な変化には対応できません。体液濃度が上昇した時、一度に大量の水を飲んでも体液中には入らず、すぐに尿となって排泄されてしまいます。それゆえ水はこまめに少しずつ飲むことが重要なのです。トイレに入ったら尿の濃さを観察しましょう。色が濃いと感じれば水分摂取量が不足しており、カラダが脱水状態になっていることを示しています。高齢になれば、手や足・腕の筋肉が退化し、シワが多くなるので、血管が膨らんで目立つようになります。手や足の血管の丸みがなくなり、扁平に見えるようであれば脱水症のサインです。体内の水分は10%失われると危険状態となり、20%失われると死に至ります。

◆水が良ければ病気になりにくい
 水は組織内に浸透し、生命維持や健康維持に関与します。ヒトは毎日、食物を消化し、吸収しています。水はその運搬と老廃物の排泄を担っています。生き続けるための呼吸や血液循環も水が中心的役割を果たしています。その水にはさまざまなミネラル成分がバランス良く含まれていることで、生命の恒常性が維持されているのです。ミネラル成分の中でもカルシウム・マグネシウム・亜鉛・ケイ素が多く含まれている水を飲んでいる地域の人々は、いずれも健康で長生きです。毎日の生活水が良ければ病気になりにくく、水が悪ければ病気になります。
 水に含まれるミネラル成分(特にカルシウムやマグネシウム)やアルカリ食品(野菜・豆類・海藻類・発酵食品など)を食べることでカラダは弱アルカリ性となり健康になります。食物繊維やカルシウム・マグネシウムを摂取することで腸内細菌叢を活性化し、便秘にならず皮膚や粘膜の抵抗力が高まります。その中心となるのが水分補給です。
 21世紀は腸内細菌叢の時代と言われるように、腸内細菌叢が活性化すれば病気になりません。毎日ミネラル成分を豊富に含む水を、早めに、こまめに、少しずつ摂る習慣を身につけましょう。

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VOL.147『カルシウムをおろそかにしていませんか?』 [水]

◆カルシウムの少ない水は…
 紀伊半島の山あいの集落には昔、牟婁(むろ)病と呼ばれる原因不明の病気がありました。この病気にかかると、脳と脊髄の働きが麻痺し、手足の筋肉が次第に萎縮し、筋力が減少します。そして、胸部の筋肉が萎縮し呼吸が困難になったり、食物を飲み込めなくなることで衰弱し、死に至る奇病と言われていました。現在この病気は『筋萎縮性側索硬化症』(ALS)と呼ばれており、脳と脊髄が変性・壊死する病気として知られています。世界的に見てもこの地域はこの病気の発症率が高い地域でした。
 その昔、この地域を流れる川の水は水晶のように澄んで透明度が高く、魚も澄んでいませんでした。飲用にしていた周囲の井戸水も同じように澄んできれいな水でした。この水は純水に近く、カルシウムをはじめとするミネラルの含有量が極めて少ない水だったのです。その水で育った農産物や牧草を食べたヒトや家畜はみなカルシウム欠乏となりました。現在では水以外にも摂取方法はいろいろあるのでカルシウムが欠乏することはありませんが、紀伊半島は酸性の火山灰土壌が主体なので、雨が土を通って川となるときに弱アルカリ性金属であるカルシウムが水に溶け込まないのです。そのためこの地域では慢性的にカルシウム欠乏の状態が続き、特有の奇病である筋萎縮性側索硬化症の発症につながったのです。

◆カルシウム不足だとカルシウムが蓄積する
 カルシウム摂取量が少ないと、血液中のカルシウム濃度を減らさないために生命を維持する恒常性機能が働いて、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを溶かし出して補います。すると骨はもろくなり、発育不全や成長障害が起こります。一方、血液中に過剰となったカルシウムは脳や脊髄に移行して蓄積します。すると、脳や脊髄内の特に筋肉の栄養や運動をコントロールする神経細胞に変性・壊死が生じ、運動ニューロンが障害され、筋萎縮性側索硬化症となります。カルシウム欠乏の餌を与え続けた動物実験では、骨のカルシウムが減少し、脳と脊髄中にカルシウムが増加して筋肉が萎縮し、歩けなくなるという結果が報告されています。カルシウムの摂取不足によって細胞内にもカルシウムが増えてしまい細胞は変性・壊死してしまいます。
 人は誰でも加齢とともに、物忘れや記憶力の低下が進みます。その症状が進行することで認知症になります。老人性認知症には、アルツハイマー病と脳血管障害型があります。欧米人にはアルツハイマー病が多く、今日では日本人も増加傾向にあります。これらはいずれもカルシウム欠乏が原因で、脳の血管壁にカルシウムが蓄積することによって起こります。高齢者は、脳の神経細胞の働きや感度が鈍くなるので、カルシウム不足を補うためにビタミンDを飲んでもカルシウムの吸収性が悪化することで、逆に脳内にカルシウムが蓄積し変性・壊死してしまいます。

◆カルシウムの大切な働き
 カルシウムには脳神経細胞を活性化する働きがあり、私たちにとって不可欠な物質です。血液中のカルシウム濃度が少しでも不足すると、精神や感情のコントロールができず、異常に興奮したり、イライラしたり、不安になったりします。
 ストレス社会である現代、吸収性に優れたカルシウムを毎日十分に摂って精神の安定を保つことはとても大切です。水に含まれるイオン化したカルシウムを摂り続けることは病気の予防にもつながります。

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VOL.142『良い水をたっぷりのんで夏を乗り切ろう』 [水]

◆夏はたくさん水を飲もう
 日本全国で梅雨が開け、列島にいきなり猛暑の毎日がやってきました。日中、太陽が出ていなくても、気温は30℃を超えて蒸し暑く、汗がたくさん出ます。多くの人が熱中症を防ぐために、ペットボトルに水などを入れて持ち歩くようになっています。
 ヒトのカラダは約60%が水分です。つまりカラダには水が不可欠であり、生命維持には水が深く関与しています。ヒトは水を全く飲まないと10〜14日で死に至ります。特に、夏場は体内の水の消費量が著しく、室内でじっとしていても熱中症になる可能性があります。

◆水の質が健康の鍵
 日本は上水道が全国的に普及しており、蛇口をひねれば直接飲める水が出てきます。水道水の衛生を保つために塩素が注入されており、夏場には極めて多く投入されるため、朝一番の水道水は塩素の匂いがするほどです。塩素消毒は水からの感染症を防ぐ目的で行われていますが、塩素は腸内の細菌バランスを破壊します。また、塩素注入の結果、トリハロメタンという発ガン物質も生じます。
 体内に入り血液やリンパ液となった水は、体内を巡って全ての細胞に栄養や酸素を運び、同時に細胞が出す老廃物を排出します。生命を維持する体温や浸透圧を一定に保つのも水です。血液中の老廃物を腎臓の糸球体でろ過し、尿中に排出して、血圧を一定に保つのも水の働きです。カラダをつくる水が生命を維持しているのです。
 健康は、毎日飲む水の成分で決まります。特にカルシウムやマグネシウム含量が多いことが重要です。カルシウムは腸の蠕動運動を活発にするので便秘を防ぎます。腸が活性化するので免疫力も高まります。カルシウムは加齢とともに腸からの吸収性が低下します。これを補助するのがマグネシウムです。マグネシウムは糞便を軟らかくし、排便量を増やします。便秘の状態が続くと、腐敗菌である悪玉菌(ウェルシュ菌)が腸内で異常に増殖し、腸内細菌叢のバランスが崩れるので免疫力が低下します。しかも大腸粘膜に老廃物が長く滞在するので、腐敗物質が大腸粘膜を傷つけるため、大腸ガンとなる危険度が高まります。マグネシウムは大量に摂取しても吸収量には限界があり、それ以上は吸収されずに便とともに排泄されます。逆に摂取量が少なければ、すぐにマグネシウム欠乏になります。

◆カルシウム・マグネシムたっぷりの水を
 カルシウム摂取が不足すると、血中カルシウム濃度を保つために骨のカルシウムが血液中に溶け出します。それが血管壁に付着して動脈硬化を引き起こします。血管壁は弾力性を失い、損傷を受けやすくなって、血管内に血栓が生じ、その結果、脳梗塞や心筋梗塞を発症します。カルシウムやマグネシウムなどの微量元素を含む水を毎日摂取することで、脳梗塞や心筋梗塞の予防につながります。またカルシウムやマグネシウムを多く含む水を食事の前に飲んでおくと、胃の酸性度が薄められ、脳の満腹中枢を刺激するので満腹感が得られます。つまり、水を飲むことでエネルギー代謝が活性化するので肥満の防止にもなるのです。
 暑い日には、冷たい物や冷水を多量に飲む機会が増えます。ミネラル成分を豊富に含む水をたくさん飲んで健康に過ごしましょう。

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VOL.141『クリプトスポリジウムによる感染症』 [水]

◆都内2ヵ所の小学校で学年閉鎖
 先月、東京都府中市の小学校で5年生の児童だけが嘔吐や下痢を訴えて学年閉鎖となり、同時期にそこから25km離れた文京区の小学校でも、5年生だけが同じ症状を訴えて学年閉鎖となりました。遠く離れた二つの小学校で、しかも5年生だけになぜ同じことが起きたのか、はじめはミステリーのようでしたが、両校の5年生は同じ日に長野県にある牧場で乳搾りやバター作りなどの体験学習をしていたことが分かりました。症状が出た児童からはクリプトスポリジウムが検出されました。
 クリプトスポリジウムという原虫(病原性微生物)は寄生虫の一種で、環境中ではオーシストという3〜8μmの楕円形の厚い壁に包まれて存在し、淡水・海水・土壌中にオーシストとして生き続け、増殖することはありません。これがヒトや哺乳動物の体内に取り込まれると、腸管上皮細胞の微繊毛に侵入して寄生体胞を形成し、増殖して糞便とともに排泄されます。ヒトの場合、糞便中に含まれるオーシストは10億個にも達します。塩素に対して耐性があり、強い塩素で消毒しても効果はありません。

◆特効薬はない
 クリプトスポリジウムは家畜の排泄物を触った手で食べ物を食べることで経口的に感染します。潜伏期間は3〜10日ほどで、その後、下痢や腹痛・発熱などの症状が出ます。水源となる上流地域が汚染されると、飲料水や水道水に混入して集団的に下痢を発症します。腹痛・発熱を伴う激しい下痢便は水様性で、1日当たり数十回にものぼり、発症者の糞便には数週間にわたってオーシストが排出されます。症状が出ず1〜2週間で自然治癒する場合もありますが、重症化するとコレラのように激しい水様便や失禁を伴い、死を招く危険度の高い感染症です。治療にはさまざまな薬剤が使用されますが効果は一時的で、特効薬はなく、多くの場合、再発したり再燃する厄介な感染症です。ガンやエイズなど免疫不全症を発症していると病気が長引き、重症化して死に至ることもあります。
 ヒトへの感染が初めて報告されたのは1976年で、1980年代にはイギリスやアメリカで、水系汚染に伴う集団感染が頻繁に起きました。1993年にはアメリカのミルウォーキーで200万人を超える集団感染があり、4400人が入院し、数百人の死亡が報告されました。日本では1994年、神奈川県平塚市で460人余りの集団感染、1996年には埼玉県の越生町で町営の水道水が汚染源となり8800人の集団感染が起きました。1997年、健常者に行った下痢症の調査では、発展途上国で6.1%、先進国では2.1%がクリプトスポリジウムの感染に起因していました。

◆予防対策
 予防対策としては、十分に手を洗う・飲料水は70℃以上で1分以上煮沸する・氷水の摂取は避ける・生ものは避け、加熱調理した食品を食べる・食器類は水分を良く拭き取り乾燥させる・感染者の入浴は最後にする・糞便で汚れた下着は熱湯消毒した後、他の健常者のものと分けて洗濯する・浄水器はカートリッジ交換式で、1μm以下のフィルター付きのものを選ぶなどです。これから夏に向かって、氷などの冷たいものや生水を摂る機会が増えるで、クリプトスポリジウムの感染にも十分注意が必要です。

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VOL.125『飲む水を吟味していますか?』 [水]

◆カラダ・水
 ヒトの臓器や組織、細胞は約60〜70%が水分です。そのため『カラダは水でできている』と言われます。
 カラダに摂り入れる水が健康維持や美容・老化防止・寿命に関与することは多くの人が知っていますが、飲み水の成分について知識がなかったり、間違った知識のせいで老化を早めたり、病気になっている人も少なくありません。

◆良い水とは
 では、どのような水が良いのでしょう。
 ①有害な物質が含まれないこと。
  化学物質や発ガン物質、病原微生物などが含まれていない水。水が清潔に保たれていないと病気になりやすい。
 ②老化防止に役立つ抗酸化作用がある水。
  消毒剤として使用される塩素など酸化力の強い物質が含まれていない水。
 ③ミネラル成分を豊富に含む水。
  ミネラルは、生命を維持するために体内で欠くことができない栄養素として働く成分で体外から摂取しなければならない。厚生労働省は12成分(カルシウム・マグネシム・亜鉛・カリウム・ナトリウム・セレン・クロム・鉄・銅・マンガン・ヨウ素・リン)を指定している。水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を数値化したものを硬度と呼び、硬度の高い水は『硬水』、低い水は『軟水』と言う。
 ④酸素が十分に含まれる水。
  酸素が抜けた水は味が悪く『死に水』と呼ばれる。
 ⑤弱アルカリ性の水。
  カラダが酸性に傾くと疲労感をおぼえ、免疫力や血液循環が低下し、体調不良となって病気になりやすい。弱アルカリ性の水はそれを中和し体内を弱アルカリ性にする。

◆おいしくてカラダに良い水をたっぷり
 水の味やおいしさを決めるのが、ミネラル量です。含まれるミネラルによって水の味は大きく変わります。ミネラル分が過剰に含まれると、苦みや渋み・しつこさ・塩味が出ます。これは硬水です。日本の自然水や天然水は一般に軟水です。軟水にはカルシウムやマグネシウムがあまり含まれていないので、健康に良い水とは言えません。湧水や地下水などは炭酸ガスが含まれており刺激的で清涼感があります。水をおいしくするミネラルは、カルシウムやマグネシウム・ケイ素で、味を悪くするのは硝酸イオン・塩素です。おいしい水とは、酸素をたっぷり含んだ水で、臭いがないものです。
 体内の水分量は、若い人ほど多く、加齢とともに減っていくので十分な水分補給が必要です。体内の水分量は10%が失われると危険な状態となり、20%を失うと死に至ります。カラダからは1日あたり1.5ℓの水分が尿として排泄されます。汗や吐く息にも水分が含まれます。水分は血液として体内を循環し、栄養素や酸素、老廃物・二酸化炭素、熱を運びます。体内の水分が失われると体温調節ができなくなって体温が上昇し、意識障害や多臓器不全を起こします。体温(正常体温36.5℃前後)が40℃を超えるとショックから死に至ることもあります。
 水は加熱すると酸素やミネラル成分が除去されてしまいます。カラダに摂り入れる水は、殺菌処理されていないことが重要です。健康を維持する長寿の水とは、これらの条件を満たした水なのです。毎日、おいしくてカラダに良い水をたっぷり飲む習慣をつけ、若さと健康を維持しましょう。

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VOL .75 『体内の水バランスを見直そう』 [水]

◆腎臓の働き
 ヒトが生きていく上で水は絶対に欠くことはできません。そして、水に含まれるミネラルバランスは極めて重要です。ヒトは毎日水を飲み、飲んだ水は体内を巡って最後には尿として排泄されます。尿は、腎臓で作られ、尿管・膀胱・尿道を通って1日4〜5回、合計で1〜2ℓ体外へ出されます。腎臓は、体内の老廃物を運んできた水を処理し、きれいな水にするリサイクル工場のようなものです。尿の色は通常淡黄色から黄褐色ですが体調によって変化します。飲む水の量が多いと色は薄くなり、激しい運動などで大汗をかいた時や、高熱が出た時、疲労した時には量は少なく、色は濃い赤褐色となります。血液が混ざった尿は血尿といい、尿道炎
・膀胱炎・腎炎・結石・前立腺ガン・膀胱ガン・腎臓ガンなど何らかの異常が起きていることを知らせます。また、尿量が減った場合は急性腎不全・膀胱炎・尿路結石・腎臓結石が考えられ、血液の粘度が高まり、血栓を作りやすくなって、脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすくなります。そのような時に腎臓は、尿細管からの水の再吸収を促進して体液を調節し、尿を濃くし、水分がカラダから失われるのを抑えます。それによって細胞内のカリウムと細胞外のナトリウム濃度を常に一定に保っているのです。

◆酵素の働き
 生物が生きていく上で酵素は重要な働きをしています。酵素は、体液のpH(水素イオン濃度)によって反応が著しく変化します。カラダの水分量を調節して体液のミネラルバランスを常に一定に保つには、老廃物を排泄する腎臓の働きや、発汗による体液の調節システムを構築している水が重要なのです。ヒトのカラダの約60%は水分で、ヒトが生きていくためには1日当たり2ℓ以上の水を摂取しなければなりません。水の働きは、栄養素や酸素の運搬・老廃物の排泄・新陳代謝の活性化・体温を一定に保つための発汗・有害物質の希釈や嘔吐剤・動脈硬化の予防・肥満の予防と解消なのです。

◆ミネラルたっぷりの水を
 ヒトは、老化に伴って腎臓における水分保持能力が低下し、体内の水分量が減少していきます。また、脳には血液の濃縮度を感知し、水分補給を促すセンサーがあります。加齢とともにこのセンサーの感度が鈍り、体内の水分不足や喉の渇き、慢性的な脱水症状を自覚できにくくなります。ですから、高齢者は特に水分をこまめに摂取するよう心がけることが必要です。
 常に水を用意しておき、気がつけば水を飲むという習慣は若い頃からつけておきましょう。飲む水は、ミネラル成分(カルシウム・マグネシウム・鉄・銅・フッ素・セレン・マンガン・亜鉛など)が豊富に含まれている水を選んで飲みましょう。そして、これらのミネラル成分が有効に小腸(消化管)から吸収されるためには、マグネシウムの助けが必要です。なかでも水溶性で吸収性に優れたマグネシウムを摂取しましょう。マグネシウムは適用範囲が極めて狭いので、過剰分は吸収されずに排泄されてしまいます。このように、体内の水のミネラルバランスを維持するためには、ミネラルたっぷりの水を毎日、毎日飲むことが大切なのです。

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共通テーマ:健康

VOL .60 『水の役割と健康』 [水]

◆ 体内の水の働き
 ヒトのカラダは、成人で体重の60%強が水分ですが、そのうちの10%が失われるだけで危険な状態に陥り、20%以上失われると死に至ります。
 水は組織や細胞に浸透し、塩分などの電解質やホルモンなどの分泌物を溶解し、食物の消化や、栄養の吸収・運搬、老廃物の排泄など…生命維持に極めて重要な役割を果たし、呼吸や血液循環などにも中心的な役割を果たしています。また、水は生命維持に関わる体温調節にも関与しています。夏には1日に約1000㎖の汗をかき約600カロリーの熱量を体外に放出しています。汗をかかないと感じる冬でも約200㎖の汗をかいて体温の上昇を調節しています。

◆ カルシウムパラドックス
 このように、水はヒトが生きるために絶対に必要なのですが、水であればどんな水でも健康を維持できるというわけではありません。
 水には種々のミネラル成分が含まれています。カルシウムやマグネシウム・鉄・銅・マンガン・フッ素など、21世紀型ビタミンと呼ばれる微量ミネラルが多種多量に含まれている水は健康維持にも良い水といえます。
 一般的に、高齢者はカルシウムやマグネシウムなどの微量ミネラルの摂取が少なく、摂取したカルシウムやマグネシウムの腸管からの吸収が、若者に比べて悪いので、血液中のカルシウムが不足しがちになります。その状態が長く続くと、カラダは副甲状腺ホルモン(PTH)を放出します。これはカルシウムの補給を求めるサインです。その状態がさらに持続すると、自分の骨の中に蓄積していたカルシウムを血液中に溶かし出して補います。一度溶け出し始めたカルシウムは、血液中のカルシウム量が適量になっても、必要量をはるかに超えて血液中に溶け出してしまう「カルシウムパラドックス(カルシウム逆説)」という状態になります。過剰に溶け出したカルシウムは血管壁に付着するため、血管壁は弾力性がなくなって硬くなり、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。また、骨のカルシウム量は減少し、骨はボロボロ・スカスカの状態、いわゆる骨粗鬆症にもなります。

◆ 良い水を飲み続けましょう
 カルシウムやマグネシウムがバランス良く豊富に含まれている水を飲み続けていると、体内のカルシウム量やマグネシウム量を常に適量に保つことができます。つまり、PTHの分泌も抑制され、溶け出した過剰なカルシウムが血管壁に付着することもなくなるので、動脈硬化を阻止することができます。血液は弱アルカリ性の状態となり、常に細胞は活性化され、十分な睡眠・休養がとれた状態になります。一方、カルシウムやマグネシウムが減少してしまうと、血液は酸性状態になり、骨や歯からカルシウムが溶け出し、過労が続いた時のように細胞は活性化を失い老化します。
 若者も含め、特に高齢者はカルシウムやマグネシウムなどの微量ミネラル成分を摂る努力を続け、心筋梗塞や脳梗塞・骨粗鬆症などの生活習慣病にならないよう、また、今年の夏は特に熱中症の予防のためにも、毎日十分に良い水を飲み続けましょう。

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共通テーマ:健康

VOL .32 『驚異の繊維といわれる中空糸膜』 [水]

◆構造と用途
 中空糸膜とは、ろ過機能を持つ中空繊維(孔のあいた繊維)のことで、膜といっても形状はストローのような構造です。この中空繊維は一端が閉じたストロー状の膜で、材質はポリエチレンやポリプロピレンなどの無害なプラスチックです。これらの素材は柔軟性に優れており、加工が容易であることが特徴です。
 このストロー状の繊維の壁面には、スリット状の超微細な孔が無数にあいており、これが精密で微小なろ過を行ないます。
 中空糸膜は主にカートリッジの状態で供給・使用され、家庭用浄水器のほか、除菌フィルター、海水を飲料水に変えるための淡水化プラント、工業用水の回収・精製、浄水場での排水処理、人工透析膜などに幅広く利用されています。

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◆活性炭と共同作業
 一般に家庭用浄水器や小型浄水器のろ過剤には、活性炭が使用されているものが多いようです。活性炭は、水中に含まれる残留塩素やトリハロメタン、微量有機物などを除去することができます。また、活性炭の種類によってはカルキ臭やカビ臭、溶解性鉛なども除去できる能力があります。しかし、微細な細菌などまでは取り除くことができません。それを解決するのが中空糸膜です。
 中空糸膜の口径は通常0.1~0.3μm(0.1μmは1㎜の1万分の1)なので、赤サビや藻類、寄生虫、細菌、ウィルスなどは通過することはできません。さらに、活性炭では除去できない微小鉄サビ、ミクロの濁り、原虫などの微生物も除去することができます。
 しかし、中空糸膜の孔の目は非常に小さいので、長期間使用し続けると、孔の目に不純物や細菌などの死骸が詰まり、腐敗臭が発生するおそれがあります。そのため中空糸膜は、定期的に交換する必要があります。ただし、使用する原水には地域差があるので、中空糸膜の交換時期は水質によって多少異なってきます。

◆ミネラル成分は体内へ
 中空糸膜ではミネラル成分、例えばカルシウムやマグネシウムなどの微量元素など、生命にとって極めて重要な生体成分は、ろ過されることなく通過できます。一方、中空糸膜とよく比較され、浄水機能が高いとされる逆浸透膜は、これらのミネラルや微量成分、金属イオン(塩素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、亜鉛イオン、硝酸イオン、硫酸イオンなどの水溶性イオン)までも、ろ過してしまうので、水は『純水』つまり生体成分を含まない水になってしまいます。そのためカラダに優しい水とはいえないようです。
 中空糸膜は最近の技術の進歩により、軽量・小型となり、また比較的低圧で使用することができるようになったので、家庭用浄水器にも設置されるようになりました。健康のためには目に見えない有害物質を取り除く機能を持つことも大切なのです。



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