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VOL.219『グルテン不耐症・カゼイン不耐症』 [体]

◆日常の体調不良
 現在、成人の10%以上が日常的に偏頭痛に悩んでおり、増加傾向にあるといいます。偏頭痛の原因はストレスや肩こり・睡眠不足・ホルモンバランスの乱れなどとされ、季節の変わり目、気圧や気温の変化などに影響されると言われてきました。また、日常的なストレスや体調不良、イライラ状態が続く不安定さから疲労がたまり発症すると多くの人が思ってきました。ところが最近、食物アレルギーのグルテン不耐症が原因であることが分かったのです。

◆グルテン不耐症
 グルテン不耐症は世界ランキング1位になったプロテニスプレーヤー、ジョコビッチ選手によって広く世に知られることとなりました。彼の実家はピザ屋で、ピザやパン・パスタなどの小麦製品を食べて育ちました。グルテンとは小麦や大麦・ライ麦などに含まれるタンパク質のことです。タンパク質は消化されアミノ酸に分解されて腸管から吸収されます。ところがグルテンは一部が分解されずにタンパク質のまま吸収されます。健康な人はグルテンが小腸から吸収されずに便中に排泄されるのですが、グルテンが吸収され続ける人がいます。すると、グルテンが過敏に反応し、胃痛や胃痙攣、腹痛、便秘、下痢などの症状を起こします。これがグルテン不耐症です。
 欧米ではパンやパスタが主食であり、小麦は人類最古の農作物ですが、日本でも小麦を食べて体調を崩す人が増えています。昔の小麦に比べてグルテンの量が増えていることが原因と考えられており、グルテンが粘着性を増し、腸粘膜の免疫機能に傷害を与えています。
 アメリカでのグルテン不耐症は20人に1人の割合となっており、日本でも同様に増加していますが、自分の不調の原因について気づいていない人がほとんどです。日本では近年、食生活が変化し、若い人を中心に3食すべて小麦粉食品という人が増えています。つまり、グルテンを多く摂取することで腸に与える影響や負担が大きくなっているのです。
 小麦アレルギーは、小麦に含まれるタンパク質にカラダの防御機構が反応し、少量でも摂取すると直ちに症状が出ます。グルテン不耐症は小麦粉グルテンに対する反応で、消化が進んで発症するまでには時間がかかります。また、長い間食べていても何でもなかったのに、ある日突然体調が悪化しアレルギー症状を示すため遅延型アレルギー疾患とも呼ばれます。
 また、過敏性腸症候群の人が増えており、現在は日本人の5〜10人に1人の割合となっています。例えば、通勤ラッシュの車内で急に腹痛を起こしてトイレに行きたくなる人、これは各駅停車症候群とも呼ばれます。ストレスが原因と思われてきたこの病気は最近になってアレルギーが原因であることが分かりました。特に、パンやシリアルなどの小麦粉を使った食品を常食としている人に多いようです。

◆カゼイン不耐症
 牛乳やヨーグルトなどの乳製品を多く摂っている人に見られる病気がカゼイン不耐症と呼ばれるアレルギーです。毎日下痢に悩まされ、小麦粉や乳製品を中心にした食事が原因とは全く思わず、知らず知らすのうちにアレルギーになり、その症状はある日突然現れます。カゼイン不耐症は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして下痢を起こす乳糖不耐症(ラクターゼ分解酵素の欠損)とは異なり、カゼインというタンパク質に対するアレルギー疾患です。カゼインは食品の栄養を高める栄養強化剤で、加工品の保水効果を高め、乳化剤としても添加されます。
 グルテンやカゼインはアミノ酸に分解されずにタンパク質のまま腸から吸収されるので抗体(IgE)が形成されてアレルギー疾患となります。このような食品によって、病院に行くほどではないが症状が繰り返し起こる、病院に行っても一向に症状が改善しないなど、思い当たる節はありませんか。小麦粉食品の摂り方を少し考えてみてはいかがでしょう。

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VOL.218『ミネラルの働きと歯の大切さ』 [体]

◆ヒトのカラダに必要なミネラル
 ヒトの生命活動に必要なミネラル成分は大きく2種類に分類されます。1つ目はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩素、イオウで、これらは1日の摂取量が比較的多いミネラルです。2つ目は鉄、亜鉛、銅、クロム、ヨウ素、マンガン、セレン、モリブデン、コバルトで、これらは比較的少ないミネラルです。これらミネラル成分は、不足した場合に欠乏症を引き起こし、過剰摂取では過剰症を起こします。
 例えば、ナトリウム(食塩)は過剰摂取すると高血圧症を引き起こすので1日の摂取量は10g以下とされています。腎臓病でも食塩量は1日5〜6g以下に制限されます。食塩は過剰摂取すると血液中のナトリウムイオン濃度が上昇し、浸透圧が高まります。浸透圧とは水に物が溶けたときに生じる圧力のことです。血液の浸透圧の上昇は脳で常に測定され、高くなると喉が乾くので水を飲むように促します。浸透圧は生命維持の基本で、常に一定に維持されます。浸透圧が高まるとホルモンの作用で腎臓から水の排出量を減らし、血液量を増加させます。逆に利尿剤には尿の排出量を増やして血液量を減らすことで血圧を下げるという働きがあります。
 ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などは酸化されて陽イオンになりカラダ(細胞)が利用できるようになります。そのため、体内では必ずイオン化(水に溶けた状態)して存在します。カルシウムやマグネシウム、亜鉛は常に陽イオンの状態で存在します。これに鉄を加えたグループを必須ミネラル成分といいます。

◆鉄イオンの働き
 鉄イオンではヘムの鉄を除いた有機物をポルフィリンと呼び、体内で合成されます。ヘムは必須の栄養素ではありませんが、酸素はヘムのおかげで全身に運ばれます。血液が赤いのはヘム(鉄イオン)が赤いためです。空気中の鉄イオンは酸素で酸化されるので錆びます。しかし、体内では鉄イオンとして十二指腸から吸収され、タンパク質に吸着して酸化し、肝臓や骨髄に運ばれます。そこでフェリチン(タンパク質)となって貯蔵されます。肝臓に運ばれた血液中のヘムは酸素の力でビリルビンに変換され、肝臓から胆のうに貯蔵されます。
ビリルビンは胆汁中に入って、腸へ行き、腸内細菌によって分解され大便の色となります。
 赤血球の寿命は120日ほどで全身の赤血球の120分の1が毎日分解・造血されます。グロビン(タンパク質)はアミノ酸に分解されて再利用され、ヘムは分解されビリルビンが合成されます。これが正常な生命維持の活動です。肝臓が障害されビリルビンが胆汁によって排出されなくなると、目や皮膚に蓄積し黄色くなるのが黄疸です。また、鉄イオンは厳密にコントロールされていて、古くなった赤血球は膵臓でマクロファージによって分解され、ヘムとして鉄イオンは食事からの摂取量よりも多い1日あたり35mgが回収されます。したがって月経や臓器からの出血がなければ鉄欠乏にはなりにくいのです。マクロファージは鉄の排出タンパク質を通して鉄イオンを血液中に排出します。そして鉄イオンは骨髄に戻り再びヘモグロビンとなります。

◆歯を大切に
 生命維持に必須なミネラル成分は加齢とともに減少し、老化によって血管は硬くなり、動脈硬化が進みます。それでもカルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などの摂取量が多ければ心血管疾患で死亡する割合は減ります。近年の疫学調査では、脳の記憶中枢が活性化されて、足が丈夫で、運動筋力が高い高齢者ほど長寿であることが分かりました。また、残っている歯の数が多いほど健康状態が良いという相関性が認められました。歯が丈夫で健康であれば運動能力に優れ、認知症がなく、記憶力も優れているというのです。血液中のカルシウム濃度は年齢に関係なく一定です。水に含まれるカルシウムとマグネシウムが1対1の割合で摂取できると歯も丈夫になります。歯が丈夫であれば肉や魚、野菜などをバランス良くしっかり噛んで食べることができます。ミネラル成分をしっかり摂っていれば歯も丈夫で、健康維持につながります。

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