So-net無料ブログ作成

VOL.208『心房細動による疾患を防ぎましょう』 [体]

◆脳梗塞や心筋梗塞の原因になる
 近年、日本では高齢化が進み、加齢に伴う動脈硬化や高血圧症が同時に進行しています。これに関係するのが心房細動と呼ばれる心臓の不整脈です。心房細動によって心臓内に血栓が生じ、これが脳や心臓の血管を詰まらせ、梗塞を起こすことで脳梗塞や心筋梗塞が起こります。
 このような慢性疾患を予防するのに、心臓の冠動脈や脳動脈へのカテーテル医療法や血液をサラサラにして血栓をできにくくする抗凝固薬を用いる医療法があります。抗凝固薬は5年ほど前から使われ始め、予防法が画期的に進歩しました。抗凝固薬は服用を続けることが予防のために必要となりますが、予防薬の特徴としてその効果が明確でないため多くの人が途中でやめてしまいがちです。そうなると薬効が切れ、梗塞が起きる危険性が高まります。

◆高齢になると起こりやすい
 心臓は1分間に60〜70回という一定のリズムで収縮し、全身に血液を送り出しています。ところが、年齢を重ねると原因不明の不整脈が生じてきます。不整脈とは1分間に300〜400回の非常に速い頻度で脈拍が生じ、収縮力が弱まります。すると心臓では血液の流れる速度が非常に遅くなり、血液の流れが滞って、よどみが生じるので血の塊である血栓が心臓にできやすくなる、この状態が心房細動と呼ばれる不整脈です。
 60歳を過ぎる頃からこのような現象が急激に増加します。血栓は、たとえ血液がドロドロでなくても血液の流れが遅ければできてしまいます。さらに血管壁が傷ついていれば、何かの拍子に血管内に血栓が剥がれ落ち、それが血流によって脳に運ばれ、そこで血管を詰まらせれば、脳梗塞が起きてしまいます。心房細動が原因で発症する脳梗塞は心原性脳塞栓症と呼ばれ、多くの場合その後の社会復帰が困難なほど重篤化します。心房細動の50%以上は自覚症状が全くありません。つまり、ある時突然に脳梗塞を引き起こすのです。その時になって初めて心房細動に気づいて見つかったりします。
 心房細動を引き起こす最大の原因は加齢です。60歳を過ぎると心房細動に罹患する確率は急速に上昇し、70代以降では3%以上となります。同時に高血圧や肥満、糖尿病などのメタボの人でも多くなります。心臓は1日に10万回も拍動しています。脈拍の回数やリズムの変化に気をつけ、自分で気づくようにしましょう。

◆自分の体の変化に注意しよう
 抗凝固薬は血管内に血栓ができないように血液を固まりにくくする薬です。そのため何らかの理由で出血した場合にはその対策が必要となります。高齢になると、転倒したり、つまずいたり、何かにぶつけたりして出血することが増えます。この時、抗凝固薬を服用していると止血が難しくなりますし、処置が遅れることで致命的になることもあります。特に注意が必要なのは頭を打った時で、高齢者は皮膚の毛細血管自体がもろくなっており、同時に脳内の血管壁が薄く破れやすくなっているため脳出血を起こしやすいのです。
 日本は高齢化が進み、健康を維持することで健康寿命を延ばすことが求められています。そのため、毎日の食事内容・適度な運動習慣・睡眠時間の確保・脱水症状を起こさないための十分な水分補給など日常生活でのケアが極めて重要となります。また、高齢者のいる家庭では慢性疾患の病名や服用している薬の名前などの情報を共有することも大切です。
 心房細動によって、心臓の収縮が行われず血流が滞ることで、心房内に血栓が形成されます。その血栓が血流に乗って脳に運ばれれば脳梗塞を起こし、心臓に運ばれれば心筋梗塞を起こします。これが心原性塞栓症であり、死に直結する病気です。そうなる前に自分の体の変化を見落とさないように心がけ、酸素たっぷりの水分を十分に摂り、血液や血管を元気に保ちましょう。

v208 (2).jpg