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VOL.203『高血圧や動脈硬化の原因はカルシウム不足』 [体]

◆メタボは要注意
 今日、肥満は生活習慣病(メタボ)の代名詞とされ、特に内臓脂肪型肥満のリスクが高いとされています。内臓脂肪型肥満では血管の動脈硬化により高血圧・糖尿病・高脂血症を起こしやすくなります。
 脂肪細胞は主にエネルギーを蓄積する役割を持ちますが、アディポネクチンという生理活性物質も分泌します。アディポネクチンには動脈硬化を防ぐ善玉成分と、インスリンの効き方が悪化し動脈硬化を促進する悪玉成分があります。肥満でない状態ではアディポネクチンがバランス良く分泌します。ところが内臓脂肪が過剰に蓄積すると善玉が減少し、悪玉が増えて高血圧や動脈硬化、血糖値の上昇、インスリンの効き方の悪化が生じ、生活習慣病に進行します。つまり、メタボな体型のまま放置しておくと血管壁が狭くなり、動脈硬化が起こって心筋梗塞や脳卒中などの慢性疾患になりやすいということです。

◆高血圧と動脈硬化
 高血圧と動脈硬化は深い関係にあり、高血圧であれば動脈硬化になり、動脈硬化であれば高血圧になります。高血圧が続くと動脈の太い血管も障害を受けますが、毛細血管はさらに強く障害を受けます。傷ついた血管は脆くなり、血管内で出血が起きたり、詰まったりする箇所が増えます。
 高血圧や動脈硬化の原因の一つは塩分の摂り過ぎです。塩分の多い食品を摂取すると、血液中のナトリウム量が増え、これを体内の水分が薄めます。すると、血液中の水分が増えて血管が膨らみ、血管壁が圧迫されるため血圧が上昇するのです。
 血管は平滑筋という筋肉からなり、これが収縮すると血管は狭くなり、拡張すると広がります。平滑筋は自律神経のコントロール下にある筋肉なので、カラダの必要に応じて収縮したり、拡張したりしています。血管平滑筋が収縮して高血圧になるのはカルシウム不足が原因です。血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれています。そのためカルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを溶かし出して補います。この時必要以上のカルシウムが溶け出してしまうのです。すると血管の細胞内に余分なカルシウムが取り込まれ、蓄積します。カルシウムの摂取が十分であればこのようなことは起こらず、高血圧にもならないのです。
 塩分摂取量が少なければ細胞の水分量が一定に保たれるので、細胞内外のカルシウムイオンのバランスは乱れません。ところが、塩分摂取量が増すと細胞内にナトリウムイオンが増え、ナトリウムイオンを細胞外に出してカリウムイオンと交換することができなくなるためナトリウムイオンとカルシウムイオンの交換が起き、カルシウムイオンが細胞内に取り込まれてしまうのです。その結果、細胞内にカルシウムイオンが増えるので高血圧になります。

◆カルシウムは命の炎
 このようなメカニズムからカルシウムの摂取不足や塩分の摂り過ぎが、高血圧や動脈硬化の原因と考えられています。この傾向は加齢とともに強くなっていきます。つまり、健康寿命を維持することは、毎日がカルシウム欠乏との戦いでもあり、人間の宿命とも言えます。これは人類の進化の過程に起因します。人類の先祖である生命体は海中で生存していて、カルシウムイオンを細胞内1に対して細胞外1万の比率にしたり、骨や歯に99%、血液中に1%の割合を常に一定に維持するバランスを整えました。これは奇跡のバランスと呼ばれ、こうすることで生命の恒常性が維持されているのです。これが『カルシウムは生命の炎』と言われる所以です。

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