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VOL.197『高血圧の原因、カルシウム不足』 [高血圧]

◆高血圧は塩分の摂り過ぎ?
 日本人の2〜3人に1人は高血圧です。高血圧は加齢(60歳以上になると急増する)とともに血圧が上昇する病気です。若い頃の血管には弾力があるため、心臓からの圧力が上昇しても柔らかな血管によって高血圧にはなりません。
 血圧が高い人に医師はまず、食塩の摂り過ぎを指摘し、塩辛い食品を食べるのを控えるように指導します。1980年以前は、40代から高血圧による脳卒中で死亡する人が多く見られ、原因は塩分の摂り過ぎにあるとされていました。昔から塩分の摂り過ぎが高血圧を引き起こすことが医学の常識だったからです。確かに、塩分の大量摂取はカルシウムの尿中排泄を促進するので、カルシウム不足を助長し、高血圧や動脈硬化を引き起こす原因ではありました。

◆血管とカルシウム
 心臓は血液を全身に送り出すポンプの役割をします。血管壁は平滑筋からなり、内腔を広げたり狭めたりして調節しています。血管壁の弾力性が失われると血液が血管を押し拡げる力、つまり血圧が高まります。これが動脈生高血圧です。血管に対して加えられる強い力である収縮期血圧(上の血圧)よりも、常に血管に対して加わっている拡張期血圧(下の血圧)の方が血管にかかる負担は大きいのです。高血圧で恐ろしいのは拡張期血圧の方で収縮期血圧ではないのです。収縮期血圧を決めるのは心臓の収縮で、拡張期血圧を決めるのは平滑筋の状態、つまり、動脈内腔の広さです。平滑筋に障害があると、血管内腔は狭くなり、血液が通りにくくなるので拡張期血圧が上昇します。
 平滑筋は自律神経がカラダの必要に応じて収縮させたり弛緩させているので、自分の意思で動かすことはできません。カルシウムを摂取すると平滑筋は収縮します。逆にカルシウムが細胞から外に出ると、再び筋肉は弛緩します。つまり高血圧の本当の原因は血管内壁の平滑筋の細胞内にカルシウムが入ることで、血管が収縮することなのです。
 カルシウムは、常に食事から摂取していないとすぐに不足します。血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれ、生命の恒常性を維持しています。カルシウム不足によってこの濃度が低下すると、心臓や脳の働きが悪化し、生命維持が難しくなります。この異常を防ぐために副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムが溶け出して補います。すると血管内に余ったカルシウムが過剰となるため、血管内壁にカルシウムが付着し、一部は平滑筋細胞内に入り込んで血管内壁が硬くなります。硬くなった血管を収縮させるため血圧が上昇するのです。高血圧の原因、つまり血圧の上昇はカルシウム不足によって発生するのです。

◆カルシウムを十分に摂りましょう
 最近、アメリカで行われた大規模試験の栄養調査によると、高血圧の人は正常血圧の人に比べてカルシウムの摂取量が少なかった一方、塩分摂取量には差がありませんでした。つまり、塩分の摂り過ぎよりもカルシウム不足の方が影響を与えていることが分かったのです。しかし、塩分摂取量が増すとカルシウムの尿中排泄量が増えるので、結果、カルシウム不足となります。
 血圧を下げる薬にカルシウム拮抗薬があります。この薬はカルシウムを反応するのではありません。電位の変化でカルシウムが細胞内に入るのを阻害する薬です。高血圧は細胞内のカルシウムが増加することが原因なので、この薬はその増加を防ぐ薬なのです。
 生まれつき血圧が高いラットの系統は遺伝的にカルシウム欠乏です。このラットにカルシウムを与え続けると細胞内カルシウムが減少し、血圧が下がります。日本人も遺伝的に高血圧になりやすいようです。高血圧になると血圧降下剤を飲み続けなければなりません。高血圧になる前にカルシウムを毎日十分に摂取する習慣を身につけましょう。

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